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「親権をめぐる争い」

未成年の子供がいる夫婦の離婚において、「親権」の問題は避けて通れません。

 

日本の法制度においては、離婚後は単独親権となるため、離婚する際には、

父母のどちらかを親権者に指定する必要があるからです。

 

「親権」をめぐる争いは、子供が幼少である場合には、ほぼ全てが、

双方ともに親権者となることを求めるものです。

 

幼い子供は、親にとってかけがえのない存在であり、親の生きがいにも

なっていることが多いことから、当然のことと思われます。

 

もっとも、中には、親より祖父母が「親権」を強く求めているケースもあり、

少し違和感を感じることがあります。

 

一方、子供が高校生くらいになると、両親が双方とも親権者になることを

拒否するケースもあり、複雑な気持ちになることもあります。

 

このように「親権」をめぐる争いは多種多様ですが、

「親権」の中身を正しく理解している当事者は少ないように感じます。

 

「親権」は、その字づらからは、子供に対する親の権利のように感じられます。

しかし、「親権」は、

 

「権利」というよりは、むしろ「義務」として認識すべきです。

 

 

民法においては、「親権」の効力として、以下のことなどが定められています。

*クリックで条文のページ(wikibooks)へ移動します。

 

子の監護及び教育をする権利義務(820条)

 

所指定権(821条)

 

懲戒権(822条)

 

職業の許可権(823条)

 

財産管理権及び代理権(824条)

 

これらを見るとほとんど権利ばかりのように思えますが、

精神能力の未熟な子供を適切に監護養育し、教育を施し、

将来自分らしい幸せな人生を全うできるような土台作りを
するための親の権能として、子供の居所を定めたり、

子供を教え諭して訓戒したり、子供の財産を管理したりする

ことが認められているにすぎません。

 

「親権」の意味をはき違えて、

「自分は親権者だから子供をどのようにしつけようが勝手だ」など

と考えている身勝手な親による子供に対する虐待が後を絶たないのは悲しいことです。

 

子供を育てていくには忍耐が必要です。

お金も必要です。子供の行為には責任を取らなくてはなりません。

このようなことを全てひっくるめて、子供に対する義務を果たす覚悟が

より強い方が親権者となるべきでしょう。

 

「子供と離れるのが嫌だ」

「寂しいから親権を取りたい」

 

という素直な感情は否定できませんが、

「親権」は、そのような自分本位の感情を優先すべきではありません。

 

親権者とならなくても、子供の親でなくなるわけではありませんので、

適切な面会交流によってつながりを保ち、養育費による金銭的な

サポートをしていくことが必要です。

 

子供の両親が、離婚後は、子供を養育するという義務を果たすための

ビジネスパートナーのような関係となり、親権者が責任者となり、

非親権者がそれをサポートしていくという関係性を構築できれば、

子供にとって、両親の離婚が心の傷になることはないと思います。

 

弁護士 大池

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