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「同性婚を認めない法制度が人権侵害であることを認める日本弁護士連合会の意見書が出ました+α」

同性婚を認めない法制度が人権侵害であることを認める日本弁護士連合会の意見書が出ました+α

 

1 人権救済申立事件
弁護団のメンバーとして少しだけお手伝いさせていただいた、「同性婚を認めない現在の法制度は人権侵害である」との日本弁護士連合会に対する人権救済申立に対して、日本弁護士連合会は、2019年7月18日に、憲法13条、14条に違反するとの意見書を取りまとめ、7月24日付けで法務大臣、内閣総理大臣、衆議院議長および参議院議長宛てに提出されました。

【日弁連の意見書】
https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2019/190718_2.html
この意見書に法改正を義務づけるような法的な拘束力はありませんが、「人権派」と言われる弁護士ですら同性愛についての無理解があったり、差別的な言動をしてきた数年前に比べれば、法改正に向けた本当に大きな一歩です。

【弁護団HP】
http://douseikon.net/

 

 

2 「結婚の自由をすべての人に」
そして、現在、「結婚の自由をすべての人に」として、性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現を目指して、訴訟やロビーイング等が行われています。弁護団には入っていませんが、皆様にも応援いただけると助かります。
http://marriageforall.jp/

 

 

3 犯罪被害者給付金訴訟
また、昨年に提訴の報告をさせていただいた同性パートナー犯罪被害者給付金訴訟については、進行中です。
こちらは、民法及び社会学の専門家による意見書を提出して、「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」で給付金の受給対象となる「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの)」に、同性パートナーも含まれることを主張しています。
主張の大枠としては、以下のようなものです。

① 「事実上婚姻関係と同様の事情」との文言から、民法の婚姻関係には該当しないカップルも、婚姻意思と共同生活の実態があれば受給対象となること

 

②-1 厚生年金法の遺族年金に関する「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの)」について、最高裁判決(最高裁判所第一小法平成19年3月8日判決)も、民法上の配偶者に限らない趣旨であることを明確にしていること

 

②-2 同事案は民法上反倫理性があるとして禁止されている近親婚について、遺族年金の受給対象となることを認めており、そもそも反倫理性がなく禁止されていない同性パートナーであれば、受給を否定する理由がないこと

 

③ 異性カップルと同性カップルで婚姻生活の実態(婚姻意思と共同生活)において同質であること

 

④ 戦後の民法改正当時と異なり、同性パートナーシップについて受け入れられているなどの社会状況の大きな変化があること

 

訴訟も佳境に入ってきております。応援よろしくお願いいたします。

 

弁護士 倉知

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