「~ドキドキ感~」
~ドキドキ感~
「意中の彼とデートするのに最適な場所は、遊園地」
うん十年前、私が大学生の時に、心理学の授業で聴いた。
当時、教授が学生の興味を引くために、授業の導入として話してくれたと記憶している。
なぜ、遊園地でデートするとよいのか。
遊園地のアトラクションのドキドキ感
と
恋愛のドキドキ感
両者は似ているので、脳が、アトラクションに起因するドキドキ感を恋愛感情に起因する
ドキドキ感と勘違いしてしまう、というのである。
簡単に言えば、遊園地では、特に好きでもなかった人を、脳が勘違いした結果、
好きになってしまうことがあるということである。
以上は、不貞の相談を聞いていると、たまに思い出すことである。
不貞は、民法上は違法な行為であり、一般的には配偶者に対する背信的な行為である。
それ故、罪悪感に起因するドキドキ感があると思われる。
このことが脳の勘違いをもたらす結果、不貞はエスカレートしがちなのかもしれない。
不貞に対する法的な抑制が、心理学的には不貞を促進することになるというのは、
皮肉なことである。
もっとも、このことは不貞に限ったことではない。
婚姻についても、ドキドキ感だけで結婚すると、後悔が生じやすい。
「こんな人だとは思わなかった」という抗弁は、離婚において通用しない。
いずれにしても、ドキドキ感には用心した方がいい。
弁護士 大池