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子供と畑の共通点

 新年度を迎えました。
 今年はちょうど満開の桜と重なり、可児市役所周辺も新年度の雰囲気に満ちています。
 学童期の子供たちとわが身が同じスピードで成長しているとは思いませんが、世の中は絶えず変化しています。選択と集中、継続の重要性を見極めながら、業務に取り組みたいと思います。

 

 

 さて、趣味と実益を兼ねた畑では、思いがけない発見がありました。
 昨年はトウモロコシ、白菜、小松菜、ほうれん草、にんじんに挑戦し、トウモロコシは栄養不足によりヤングコーンから育たず、白菜は葉が巻かず菜花栽培に、小松菜とほうれん草は市場の3割ぐらいの小ささで、にんじんのみ大収穫に至るという結果でした。秋蒔きながら今も残りを収穫しており、いつまで食べておいしい状態が続くのか楽しみです。いずれの野菜もほとんど手を掛けていないため、にんじんがなぜ順調に育ったか思い当たらず、また土の中の成長過程も謎めいており、来季の再現性は低いでしょう。ただ、周りの大先輩方が苦戦していたにも関わらず放置したにんじんはすくすく育ったことから、もっぱら土壌や天候など人為的でない環境のお陰と言えそうです。

 

 私の借りた畑は、地主さんも長く手を掛けていなかった区画であり、粘土のような粒子の細かい土が硬く固まっていたため、はじめは掘り起こすのも大変な状態でした。そこに畑の師匠から融通してもらった籾殻混牛糞をすき込み、なんとか畝らしい体裁を整えて畑に仕立てたものが、にんじんのホームです。

 加えて、周囲の方々から2週間ほど遅れて種を蒔き、発芽以降の水やりは一切しない、雑草は抜かないという「悪条件」が重なっていました。
 ですが、にんじんは大きく育った。つまり、「悪条件」の認識は誤っていたわけです。畑では、このようなことが頻繁に起こります。私はしょっちゅう誤って認識しているのでしょう。

 

 このところ、子育ても同じなのかもしれないと思うようになりました。衣食住と一定水準の愛情が満たされていれば、その他の条件はその時点では事実に過ぎず、好悪といった評価は結果論ということです。

 もちろん、子供にもトウモロコシタイプ、白菜タイプ、にんじんタイプのように特性や環境との相性がありますから、明らかにトウモロコシな子にはそれ相応の備えを施すことで、健やかで大振りで甘い実をつける確率を高められるでしょう。しかし、トウモロコシの美味しさ、味わい方は一通りではありませんし、こと低年齢の時期はどんな子なのか見極められるものではなく、見極めたとしてその成長スピードの速さからすぐに移り変わっていくものとも思います。

 何が好条件だったり悪条件なのかはそのときに分からないことも多く、それゆえ早合点は禁物だなと自分の子育てを省みるに至りました。

 

 今年は、スナップえんどう、ブロッコリー、キャベツに挑戦します。先日の春嵐で防鳥ネットがめくれ上がった隙にひよどりが若芽を食べ尽くしてしまい、すでに息も絶え絶えの畑です。ここから初夏に向けて新芽が復活するのか花芽をつけるのか、楽しみは続きます。

事務員N
 

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